このような症状でお悩みの方

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

落ち着きがなく、授業中も着席していることができずに動き回ったり、常に体を動かしたり、衝動的で急にしゃべり出したり、他人のやっていることに唐突に介入するために、先生から注意を受けているような子供は注意欠陥・多動性障害(ADHD)といわれています。注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、子供だけにみられる障害ではありません。軽症の場合は大人になると症状が目立たなくなる例もありますが、2~10%の大人が注意欠陥・多動性障害(ADHD)の診断基準にあてはまるといわれます。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状

大人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)では、注意の持続が困難だったり、細部に注意が向かないために仕事や家事でケアレスミスや物忘れが多かったりします。あるいは、しばしば約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わなかったりします。

子供のときに見られた顕著な多動性や衝動性は一見目立たなくなりますが、待たされた時などにイライラして落ち着かなかったり、人の話を最後まで聞くことができず、さえぎって一方的にしゃべってしまったりするような形で現れたりします。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の大人は、本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりすることが多いので悩むことになりがちです。そのため、自尊心が低下して、うつや不安の状態になります。

仕事や人間関係がうまくいかないために生きづらく感じる、あるいは抑うつ気分や不安感が強い人で、以下の項目に多く当てはまる場合は注意欠陥・多動性障害(ADHD)がその原因の可能性があります。

このような症状はありませんか?
  • 活動していないと落ち着かず、家で座って静かに過ごしていること(本を読んだり、テレビを見たり)ができない。
  • 注意力や集中力に欠けるため、他人と話していても話の筋を追えなかったり、内容を忘れたりする。そのために、面と向かって話しかけているのに、話を聞いていないような様子に見えると他人にしばしば指摘される。
  • 単調な仕事や読書、計算を持続することが苦痛である。
  • 約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わなかったりすることが多い。
  • 仕事や家事などの課題を遂行できず、途中で投げ出してしまう。
  • 短気で、些細なことで自分を見失い、しばしば爆発的に怒ってしまう。
  • 鍵や財布など生活・仕事の必需品を頻繁に紛失する。
  • 騒音や雑音があると、すぐに注意が散漫になる。
  • しばしば他人の質問をさえぎって、一方的にしゃべりだしてしまう。

大人のADHDとは

大人のADHDは、大人になってから初めて出現するものではありません。不注意、多動性、衝動性という3つの症状に、子どものころからずっと悩まされており、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらず、状況が改善せず大人になり、うまく生活することができず困っているのです。
日常の活動(たとえば、掃除にかかる時間、歩くスピードなど)すべてにわたる能力や行動であるパフォーマンスが落ちていきます。なんとなくいつもの自分と違っていると思いながら気のせいだと判断して、自分が病気であることにはまだ気づいていません。

ADHDの症状の変化

多動性

子供の症状

  • 座っているべきときに落ち着いて座っていることが難しい。
  • 遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
  • 過度におしゃべりをする。

大人の症状

  • 落ち着かない感じ。
  • 貧乏ゆすりなど、目的のない動き。
衝動性

子供の症状

  • 質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
  • 順番を待つのが難しい。
  • 他の人がしていることをさえぎったり、邪魔したりしてしまう。

大人の症状

  • 思ったことをすぐに口にしてしまう。
  • 衝動買いをしてしまう。
不注意

子供の症状

  • 勉強などで不注意な間違いをする。
  • 課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
  • 興味のあることには集中しすぎてしまい切り替えが難しい。
  • 話を聞いていないようにみえる。
  • 課題や活動を順序だてて行うことが難しい。
  • 同じことを繰り返すのが苦手。
  • 必要なものをなくしてしまう、忘れっぽい。
  • 注意が長続きせず、気が散りやすい。

大人の症状

  • 仕事などでケアレスミスをする。
  • 忘れ物、なくし物が多い。
  • 約束を守れない、間に合わない。
  • 時間管理が苦手。
  • 仕事や作業を順序だてて行うことが苦手。
  • 片付けるのが苦手。

大人のADHD症状チェックリスト:成人(18歳以上)用

本チェックリストは、ADHDの症状を持っているかどうかを確かめるためのものです。診断結果を表すものではございませんので、受診の際にお役立てください。

1 物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。
2 計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。
3 約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか。
4 じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。
5 長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。
6 まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることが、どのくらいの頻度でありますか。
7 つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることが、どのくらいの頻度でありますか。
8 つまらない、あるいは単調な作業をする際に、注意を集中し続けることが、困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。
9 直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことはどのくらいの頻度でありますか。
10 家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労したことが、どのくらいの頻度でありますか。
11 外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。
12 会議などの着席していなければならない状況で、席を離れてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。
13 落ち着かない、あるいはソワソワした感じが、どのくらいの頻度でありますか。
14 時間に余裕があっても、一息ついたり、ゆったりとくつろぐことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。
15 社交的な場面でしゃべりすぎてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。
16 会話を交わしている相手が話し終える前に会話をさえぎってしまったことが、どのくらいの頻度でありますか。
17 順番待ちしなければならない場合に、順番を待つことが困難なことが、どのくらいの頻度でありますか。
18 忙しくしている人の邪魔をしてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因

現時点では、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因ははっきりしていませんが、近年、MRIやSPECTなどの脳の画像診断による研究報告から神経生物学的な原因により生じることがわかっています。さらに、遺伝との関係について研究が進められているほか、脳内の神経伝達物質の関与も明らかになってきました。つまり、脳の器質的・機能的な原因のために発達・成熟に偏りが生じ、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状が現れると考えられています。注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因が「親のしつけの悪さ」にあるといわれることがありますが、それは大きな誤解です。注意欠陥・多動性障害(ADHD)の発症には、遺伝的要因、出産時に生じた障害などによる脳の形態学的な異常、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れなどの機能異常、環境的要因などが複雑に絡み合っていると考えられます。

治療の方法

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療には大きくわけて、「薬物療法」と「心理社会的治療」の2種類があります。治療に取り組んだからといってすぐに治るという病気ではありませんので、治療は治すことを目指すのではなく、病気をもっていても普通の子供と同じように日常生活、社会生活を送ることができるようになることを目標とすることが大切です。あきらめずに根気よくケアに取り組めば、症状をコントロールでき、他の子供たちと同じように日常生活、社会生活が送れるようになります。その積み重ねで、本人の成長とともに病気が治る可能性があると理解することが大切です。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療においては、いかに有効な治療プログラムを組むかが重要なカギとなってきますが、子供と家族、医師、臨床心理士、ソーシャルワーカー、担任教師や養護教諭などの学校関係者、福祉行政担当者等、治療に携わるさまざまな人たちが連携して取り組む必要があります。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬として、中枢神経刺激薬や注意欠陥・多動性障害(ADHD)に加えて不安やうつ症状を合併している場合は三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)があります。

抗うつ薬の薬理作用は、シナプスにおいて放出されたセロトニンやノルアドレナリンが再び取り込まれるのを抑制することで注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状改善効果が得られると考えられています。セロトニンやノルアドレナリンの増加によって間接的にドパミンが増加することで改善効果があると推測されていますが、セロトニンあるいはノルアドレナリンそのものも注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状に関わっている可能性もあります。

また、その他の注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬として、興奮や混乱状態、反抗的言動や衝動性を改善するために抗精神病薬や抗てんかん薬などが用いられることがあります。

マドレクリニック

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